第6回 人間情報学会講演会 ポスターセッション プログラム


  第6回人間情報学会講演会ポスターセッション
   ○日 時:平成23年3月9日(水) 11:00-13:00
   ○会 場:東京大学 新2号館3階 電気系会議室1A・1Bにて
1. 心身相関の気づきのツールとしての整理信号計測装置
    花村 和久(キッセイコムテック株式会社),
    五味 佐和子(赤坂溜池クリニック)

    概要:
     欧米では、筋電、発汗、末梢体温、脈波、呼吸センサーを用いたバイオ
    フィードバック療法(以下BF機)が、セラピストによって心身相関の気
    づきのツールとして活用されている。今回、BF機による「ストレスプロ
    ファイル」「自律訓練法」等の計測実験を紹介する。
2. 音刺激による基幹脳機能活性化に関する一考察
    今井 絵美子(神戸大学大学院 保健学研究科),
    片桐 祥雅(独立行政法人情報通信研究機構),
    関  啓子(神戸大学大学院 保健学研究科),
    川又 敏男(神戸大学大学院 保健学研究科)

    概要:
     脳卒中による言語機能障害は意思や感情の伝達を阻害するため、障害を
    受けた患者のみならず家族に深刻なQOL低下を及ぼす。このため言語機
    能の脳科学的解明とそれに基く治療法の創出が望まれている。一般には言
    語中枢は左側頭葉にあるため左脳障害により言語機能が障害されると考え
    られている。しかし、話し言葉のプロソディ(韻律)の理解・表出は
    右脳の一部と帯状回が使われており、右脳の損傷は左脳と同等に多大な言
    語の機能を障害する。このため、右脳損傷で言語機能が低下した患者(プ
    ロソディ障害者)に対しては、従来の訓練(韻律産生に関する言語運動訓
    練や、感情理解を促して行う談話訓練) に平行して記憶・注意・情動の
    処理機構と重なる部分が多い前部帯状回を活性化することが機能回復の点
    では有効であると考えられる。前部帯状回は脳幹のドーパミン放出によっ
    て活性化することから、脳幹を活性することで、プロソディに係る経路が
    潤滑化する可能性がある。そこで本研究では、従来より広帯域の音刺激に
    より基幹脳が活性化するというエビデンスに基き、日常生活の中での音刺
    激によるプロソディ障害者の基幹脳活性化を目標とし、日常場面で聴取で
    きる様々な音を用いた予備実験を行ったので報告する。
3. 加速度と音による生活行動認識手法
    大内 一成,土井 美和子(株式会社東芝)

    概要:
     携帯電話などの小型情報端末に搭載されている加速度センサとマイクの
    データのみを用いて生活行動認識をリアルタイムに行う
    ActivityAnalyzerを開発した。小型端末上での処理を念頭に置き、計算
    量を抑えた認識手法として、まず加速度センサを活用してユーザの動作状
    態を歩行、作業、安静の3状態に大まかに分類し、作業時のみマイクを起
    動して環境音の分析を行い、作業内容を判断する。各作業データの事前学
    習は10秒間ずつで良い。胸ポケットに格納した試作デバイスで実際の家
    庭生活のデータを収集して評価した結果、加速度センサのみで動作状態を
    概ね95%以上の精度で認識できた。また、環境音の分析により、「歯磨
    き」、「電気シェーバーによる髭剃り」、「ドライヤーの使用」、「トイ
    レ水洗/手洗い」、「掃除機がけ」、「皿洗い」、「アイロンがけ」の各
    作業を平均75.8%の精度で、本人の学習データを用いた場合は85.9%の
    精度で分類できた。
4. 温熱的快適性評価のためのウェアラブル無線センサシステムの開発及び評価
    杉本 千佳(横浜国立大学工学研究院),
    薩本 弥生(横浜国立大学 教育人間科学部)

    概要:
     熱中症予防に向けた温熱環境の改善のため、人の温熱的快適性の指標と
    なる温熱感覚計測が可能なウェアラブル無線センサシステムを開発し、運
    動時着装状態で人、着衣、環境に関わる温熱環境物理量を計測して評価を
    行った結果を報告する。
5. 携帯電話を用いた自転車走行情報収集・共有機構
    戸辺 義人,並木 豊,菅生 啓示(東京電機大学 情報メディア学科)

    概要:
     自転車の走行状態を詳細に把握することで、運動量をより正確に知るこ
    とができる。位置、時間に紐づけられた運動量情報を共有することで、相
    互に励まし合い、健康意欲を向上させることができると期待される。本研
    究では、Android携帯電話に内蔵された加速度情報を元に隠れマルコフ
    モデルで学習して走行状態を把握し、走行状態を共有するシステム構築を
    目指す。
6. 人体通信技術を用いた緊急医療支援システム
    吉行 仁志(アルプス電気株式会社),
    田村  航(コガソフトウェア株式会社),
    伊藤 公一(千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター)

    概要:
     NPO WINの産学連携グループの活動の一つである《人体通信プロジェ
    クト》では、 人体通信技術を用いた緊急医療支援システムを研究・構築
    中である。 本発表ではその概略を紹介する。
7. 東大柏キャンパスへのカーシェアリング試験導入と事業性検討 続報・利用
   者を全キャンパスへ拡大した場合の最適車両数

    朱 旭初,安 百合,
    保坂 寛(東京大学大学院 新領域創成科学研究科)

    概要:
     東大柏キャンパスでカーシェアの無料サービスを実施した。車両1台、
    登録者30人での利用時間の実測値と、類似地域での有料サービスの利用
    時間と、利用者が増加した場合の利用時間の増分はあき時間に比例すると
    いう仮定とを用いて、登録者を1000人規模とした場合,採算のとれる最
    大な車両台数は約20台であることが分かった。
8. Autonomous Decentralized Multi-layer Cache System for
   Portable embedded devices

    Dr. Hiro Takahashi, Dr. Khalid Mahmood Malik,
    Prof. Kinji Mori TI-Tech / DTS, Inc

    概要:
     In order to pinpoint the environmental causes of diseases
    and for the proper health care of our aging society, wireless
    sensor networks, body sensor networks and smart phones are
    expected to play vital role. While the research in network
    protocols of wireless sensors has been matured, the usage of
    the information we can extract from these devices is still
    in the very early stages. Likewise, efficient data integration in
    wirelessly connected low bandwidth based sensors, during
    collection of all kinds of geographic, agricultural and
    environmental data is required. The biggest hurdle behind
    this is slow information processing at tiny devices due to
    resource limitation. One of them is huge speed disparity
    between the processor and tiny storage devices like SD and
    other memory cards leads used in portable medical and other
    sensors. This research focus on the designing efficient
    memory hierarchy for the small devices and memory based
    L3 cache to enhance the integration of data while reading
    and writing on the storage cards.
9. A Community-based Framework for Healthcare Data
   Sharing 健康データ共有のためのウェブコミュニティーに基づいた情報基
   盤

    ロペズ ギヨーム(東京大学大学院 工学系研究科)

    概要:
     メタボリック症候群に代表される生活習慣病のリスク管理および対策の
    観点から、 日常生活における生体・環境情報を長期間に渡って常時モニ
    タリングでき、 個人が自らの生活習慣を振り返ることのできる生体・環
    境情報処理基盤が求められている。 個人が自らの健康状態を正確に知る
    ことで、健康増進や生活習慣病予防を目指して、 積極的な健康管理が促
    進される。そのため、個人のヘルスケア情報を共有するための サービス
    として、担当医師との共有だけではなく、家族・親戚や友人、さらには医
    療機関や事業者等の間でデータを容易に共有できるようにする必要があ
    る。これを実現するには、SNS、e-Learningを実施例としているウェブ
    コミュニティー技術をヘルスケアサービスに活用することが有効だと考え
    られる。 我々は、個人情報を保護して安全を保証しつつ、個人のヘルス
    ケアデータを関係する コミュニティー(担当医師、家族・親戚、友人な
    ど)との間で、自動的に共有する情報共有フレームワークを提案し、試
    作するとともに、モニタリングルールの実装におけるデータマイニング
    技術の導入を検討している。
10.ヒト下肢の出力維持に関する信頼性の定量的評価
    杉本 貴大,福正 博之,古関 隆章(東京大学)

    概要:
     ヒトは膨大な数の関節、筋肉を有している。これらの冗長自由度を有す
    ることで、 特に下肢においては、疲労、怪我により筋肉の出力が低下し
    ても立っていられる。 歩ける。という高い信頼性を実現していると考え
    られる。本報では、ヒト下肢の筋骨格構造のモデルに基づき、出力維持に
    関する信頼性の評価を行う。
11.日常生活での使用を想定した呼吸センサの開発
    川原 靖弘(神戸大学大学院 システム情報学研究科),
    梅田 智広(東京大学大学院 工学系研究科),
    施   嫕(神戸大学大学院 システム情報学研究科),
    羅  志偉(神戸大学大学院 システム情報学研究科)

    概要:
     呼吸の制御による自律神経系などの不随意機能の制御、睡眠時無呼吸症
    候群(SAS)及び性肺疾患(COPD)の早期発見を目的とし、日常生活
    での使用を想定した固体 高分子電解質を用いた呼吸センサの開発につい
    て検討したので、その特性について報告する。      


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