第8回 人間情報学会講演会 ポスターセッション プログラム


  第8回人間情報学会講演会ポスターセッション
   ○日 時:平成23年9月6日(火) 12:30-14:30
   ○会 場:東京大学 山上会館 大会議室前にて

【学生発表】

1. 職域における喫煙者と非喫煙者の脂質・肝機能・白血球の比較
    入谷 智子.
    高橋 裕子(奈良女子大学大学院 人間文化研究科)

    概要:
     喫煙と疾病のリスクについては、様々なコポート研究や症例対象研究で
     示されている。しかし喫煙の有無と健診結果を10年間経年的に評価し
     た研究は見当たらない。そこで職域における喫煙群(n=75)と非喫
     煙群(n=70)の健診結果(HDLコレステロール・中性脂肪・GPT・
     γGTP・白血球)より、同群の1年目と10年目および喫煙群と非喫煙
     群の各年の比較を検討する。
2. 自転車走行者による路面状態の推定
    並木 豊,
    多田 真之,
    間 博人,
    戸辺 義人(東京電機大学 未来科学部情報メディア学科)

    概要:
     近年、路面状態の悪化、未整備に伴う自転車事故が増加傾向にある。し
     かし、網羅的な調査はコストを要し、広範囲の調査が困難となってい
     る。そこで、自転車搭乗者に加速度センサを装着し、加速度信号から路
     面情報を分離する方法を提案する。
3. 認定遺伝カウンセラーのサイエンスコミュニケーターとしての役割
    岡崎 恵利,
    相澤 弥生,
    滝澤 公子,
    室伏 きみ子,
    川目 裕(お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科)

    概要:
     わが国では、誰もが遺伝子に関係する病気にかかる可能性があるという
     認識が浅い。人々は正確な情報を知り、自ら考え判断するために*認定
     遺伝カウンセラーがサイエンスコミュニケーターとして活躍することが
     期待される。(*遺伝カウンセリングの専門家)
4. 写真刺激および文字刺激を用いたオブジェクト認知に関する脳活動の計測
    湯淺 健一(1),
    天野 薫(1),
    青山 敦(2,3),
    武田 常廣(1)
    (1) 東京大学大学院新領域創成科学研究科
    (2) 慶應義塾大学理工学研究科
    (3) 東京電機大学先端工学研究所

    概要:
     人は物体を知覚した時、カテゴリーに分類して認知処理を行う。このカ
     テゴリー依存的な脳活動に関する研究はfMRIで多くなされ、その活動
     部位が明らかにされてきたが、写真と単語など呈示方法の違いに依存す
     るかどうかについてはまだ明らかになっていない。本研究ではMEG計
     測データにデコーディングの手法を用い、写真と単語によって定義され
     たカテゴリー間での脳活動の関係性を解析した。
5. 東日本大震災で被災した子どもたちの宿泊型キャンプにおける家族との情報交換
     ―調査書・報告書の運用を通して―

    相澤 弥生,
    岡崎 恵利,
    川目 裕,
    滝沢 公子,
    室伏 きみ子(お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科)

    概要:
     震災で保護者を失った子どもを支援する「夢のつばさプロジェクト」で
     は、子どもと学生ボランティアの宿泊型キャンプを実施し、その中で家
     族との情報交換として調査書、報告書を作成した。それらの運用と今後
     の課題について報告する。
6. 環状ホスファチジン酸(cPA)誘導体の生理作用について
    野崎 絵美(1),
    後藤 真里(2),
    堀田 晴美(3),
    花澤 修和(4,5),
    鈴木 孝洋(5),
    小林 進(5),
    室伏きみ子(1)
    (1) お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科
    (2) お茶の水女子大学生命情報学教育研究センター
    (3) 東京都健康長寿医療センター研究所
    (4) お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーションセンター
    (5) 東京理科大学大学院薬学研究科

    概要:
     環状ホスファチジン酸(cPA)は、オートタキシン阻害によってがん細
     胞の浸潤・転移を抑制、および無髄神経C-fiberを介して侵害受容性疼
     痛を抑制する。我々は、これらの生理作用に必須の環状リン酸基を代謝
     的に安定させた種々の誘導体を合成し、その生理作用と情報伝達系を検
     討した。
7. 中国の健康教育の現状と教育教材の開発及び情報共有
    盖 迪,
    滝澤 公子,
    室伏 きみ子(お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科)

    概要:
     中国では国力の躍進の陰で教育格差が生じている。中国の母と子を対象
     とし、格差の是正に役立つ実践を行うことを目指して、分かりやすく親
     しみやすい理科教育及び健康教育教材を開発し、ウェブを通じた情報共
     有を行っている。

【一般発表】

8. コンピテンシポートフォリオを活用した学習支援に関する考察
    新目 真紀(1),
    権藤 俊彦(1),
    玉木 欽也(1),
    長沼 将一(2)
    (1) 青山学院大学ヒューマン・イノベーション研究センター
    (2) 山形大学 教育企画室

    概要:
     インフォーマルラーニングでは、情報源である人々と知り合い、接触を
     通して関係を構築する能力が重要になる。本研究では、学習時にコンピ
     テンシポートフォリオを組み込み、インフォーマルラーニングを支援す
     る方法について考察する。
9. 筋疲労補償機構としての運動皮質−筋間の活動連関の増強
    牛山 潤一(1,2),
    勝 正範(2),
    正門 由久(3),
    木村 彰男(4),
    里宇 明元(1),
    牛場 潤一(1,4,5)
    (1) 慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室
    (2) 慶應義塾大学大学院 理工学研究科
    (3) 東海大学医学部 専門診療学系 リハビリテーション科学
    (4) 慶應義塾大学月ヶ瀬リハビリテーションセンター
    (5) 慶應義塾大学理工学部 生命情報学科

    概要:
     本研究は、静的筋収縮時にみられる運動皮質-筋間の同調的神経活動の
     筋疲労に伴う変化を、コヒーレンスという数理的解析手法を用いて観察
     することで、筋疲労発現時の運動実行のために、中枢神経系がいかなる
     ストラテジーをとるかを検討したものである。
10.マラソンランナーからの情報センシング
    藤田 悟(法政大学 情報科学部)

    概要:
     マラソンランナーの日々のトレーニングログや、大会の走行ログに基づ
     き、ランナーや周辺環境の分析を行う。センサとしては、GPS、加速度
     センサ、心拍計を用い、外部情報として気温、風速などとの相関も論じ
     る。
11.人間関係における主観推定手法の検討
    吉田 学,
    今田 美幸,
    松尾 真人(NTT未来ねっと研究所)

    概要:
     我々は、センサ情報などによって観測されたデータから人間関係の親密
     度を推定することを目指している。本発表では、まずアンケートデータ
     を用いて、人間関係構築に寄与すると考えられるいくつかの情報から、
     親密度の推定について評価を行ったので報告する。
12.多感覚的な外部刺激の変化に対するヒト脳活動の検討
    青山 敦.
    栗城 眞也(東京電機大学 先端工学研究所)

    概要:
     人間が多感覚的な外部環境に適応するにあたって、環境から分散的に入
     力される感覚情報の早期連合は重要である。本研究では脳磁界計測に
     よって、視聴覚刺激の変化に対する上側頭部・楔部の脳活動からその検
     討を行ったので報告する。
13.動物細胞の熱ストレス情報伝達に関与する新規コレステリルグルコシド(CG)合成酵素
    秋山 央子(1),
    佐々木 成江(1),
    濱田 勉(2),
    花澤 修和(1),
    後藤 真里(1),
    長塚 靖子(3),
    小林 進(4),
    平林 義雄(3),
    室伏 きみ子(1)
    (1) お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科
    (2) 北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科
    (3) 理化学研究所 脳科学総合研究センター
    (4) 東京理科大学 薬学部 生命創薬科学科

    概要:
     コレステリルグルコシド(CG)は、動物細胞の熱ストレス情報伝達の初
     期過程を担い、応答性を制御する分子として我々が世界に先駆けて発見
     した糖脂質である。CG合成機構はこれまで未解明であったが、今回、
     CG合成を担う新しいタイプの糖転移酵素を発見したので報告する。
14.健常者を対象としたプロソディ障害発生課題実験と脳波計測
    今井 絵美子(1),
    片桐 祥雅(2),
    川又 敏男(1)
    (1) 神戸大学大学院 保健学研究科
    (2) 独立行政法人情報通信研究機構

    概要:
     他者との情報、意思伝達、共感に必要な音声コミュニケーションには言
     葉の抑揚や間合いといったプロソディ(韻律)が不可欠である。このプ
     ロソディの産生は、脳の器質的な損傷だけでなく健常者においても過度
     のストレスを受けることで障害される。呈示された名詞に適する動詞を
     瞬時に想起する課題は、言語理解・産生に係る神経メカニズムを解明す
     るためにこれまで多く用いられてきた。この手法を使って健常者を対象
     とした発語実験を脳波計測と併せて行い、産生された発語のプロソディ
     について音響分析と、課題遂行時の脳活動について分析したので、報告
     する。
15.「香り」刺激による癌疼痛制御
    坊垣 友美(1),
    片桐 祥雅(2),
    川原 靖弘(3),
    宇佐 美眞(4)
    (1) 愛知医科大学 看護学部
    (2) 独) 情報通信研究機構未来ICT研究センター 
    (3) 放送大学大学院 教養学部
    (4) 神戸大学大学院 保健学研究科

    概要:
     「香り」の介入による癌の疼痛制御の可能性を確認するために、痛みの
     ゲートコントロールに着目し、健常者の「香り」刺激試験による脳活動
     の変化の基本的動態を報告する。
16.休憩時の姿勢の変化が及ぼす自律神経活動と持続的注意集中力への影響
    吉田 たかよし(1),
    駒澤 真人(2),
    板生 研一(3)
    (1) 東京理科大学
    (2) 株式会社インフォマティクス
    (3) WINフロンティア株式会社

    概要:
     長時間にわたって学習やデスクワークを行う場合に、どのような姿勢で
     休憩を取れば高水準の脳機能を維持できるのかという課題に科学的な結
     論を下せば、職場や教育の現場にとっては大きな福音となる。本研究で
     は、作業中、及び休憩中の被験者の姿勢の変化を、加速度を測定するこ
     とにより客観的に評価した。さらに、休憩時の姿勢の変化が、自律神経
     活動や注意集中力検査(Continuous Performance Test、CPT)の
     結果に与える影響について分析を試みた。


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